韓国ドラマを楽しく見ていると、よくカラオケ店が出てきます。その雰囲気は日本とちょっと違うようです。韓国の人は本当に歌が好きですが、カラオケ店はどのようになっているのでしょうか。
普通のカラオケ店は禁酒
よく「ノレバン」と呼ばれる韓国のカラオケ店は、繁華街だけでなく住宅街にも必ずあるほどとても人気があります。「ノレ」とは韓国語で「歌」、「バン」は漢字の「房」にあたり、部屋のことを指します。
また、最近では「ノレヨンスッチャン」と看板に表示しているところも多いです(「ヨンスッチャン」は「練習場」という意味)。
韓国のカラオケ店が日本と最も違うところは、お酒が飲めないことです。これは法律でしっかりと禁止されています。
この法律ができた背景には、「ノレバンは密室で歌い、ときには踊ったりもするので、お酒を入れないことで犯罪を未然に防ぐ」という意図があるようです。また、未成年の利用が多いというのも禁酒の大きな理由でしょう。
けれど、韓国ではお酒を飲んでいなくても元気に歌える人が多く、学生や主婦を中心に昼間でも結構混み合っています。
ノレバンが最も賑わうのは夜。友人や会社の同僚たちとまずは腹ごしらえをして、その後も他の店でお酒をたっぷり飲んで、意気揚々とカラオケを歌いに出かけてきます。
では、韓国ではお店で歌いながらお酒を飲むことができないのでしょうか。
実は、そうではありません。ノレバンでは禁止されているお酒も、「ノレチュジョム」(「チュジョム」は「酒店」という意味)に行けば存分に飲むことができます。ここは日本のスナックのようなところ。お店の女性が接客してくれるケースもあります。その場合は、お客の大半は男性です。
ノレバンは1時間の値段が人数に関係なく1室2000円前後(店と広さによって違います)ですが、サービス精神が旺盛な韓国では、ノレバンのサービスも本当に充実しています。
料金は前払いで最初に歌う時間を決めるのですが、終わりの時間が近くなると、お店の人がサービスで10分、20分……と延長してくれたりします。中には、店主の気前がよくて1時間の料金で3時間も利用した、なんてこともあるほどです。このサービスも日本とは違うユニークな点と言えるでしょう。
文=「ロコレ」編集部