韓国のメンズの間で、センター分けで立ち上がりをつける髪型が流行っているそうだ。日本でも最近その髪型をしている人を見かける。最近見た韓国ドラマ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』のイ・シウ役のソン・ガンが、まさにセンター分けの髪型だった。
シウとハギョンの関係
『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』は気象庁に勤務するハギョン(パク・ミニョン)とギジュン(ユン・パク)が、結婚寸前で彼の浮気が原因で、破談になってしまうことから始まる。
そのため、もう社内恋愛はしないと思っていたハギョンだが、新人気象予報官のシウに惹かれていく。その二人を囲む人々のそれぞれの生活と、相手を思うがために困惑する様子が入り組んで、物語は進んでいく。
私は最初、ギジュンの裏切りと、仕事に対しても頼りなく情けない姿が嫌だったが、だんだんとギジュンのやることが空回りして良くないほうにばかり行ってしまうのが、かわいそうになってきた。憎めない存在になっていた。
シウ派? ギジュン派? と聞かれたら、私はギジュン派だ。
シウがハギョンに聞いた「付き合う? 好きなら付き合うし、嫌いなら付き合わない。どっち?」と言う言葉が、私には響かなかった。ハギョンは「愛してる」と素直に言った。私がシウの深い気持ちを読み取れなかったのかもしれない。
ハギョンの母親もとても良い。
最初は娘の相手の家柄、生活環境など次から次へと聞いて、本人たちの気持ちは二の次? と思うほどだったが、シウがバス停で泣きながら父親と電話をしている姿をそっと見ていたハギョンの母親……その表情はシウの悲しみ、苦しみ、優しさ、みんな理解した表情に見えた。
そして、シウを食事に誘った。その時の言葉がグッときた。
「この世で一番バカなセリフは、“愛してるけど別れた”よ。人生はあっと言うまに終わる」
この言葉で、「あぁ~、きっとハギョンとシウの関係を認めたのだな」と思った。
涙ながらに話すハギョンにも優しい言葉をかけた。
「明日の天気の予報より今日の天気を観察しなさい。空も見上げて、屋上で風を感じるのよ。好きな人の顔も見つめる。今日をきちんと生きないと予報も当たらないわよ。だから外れてばかりなの。人生は短いのよ。人生は風に吹かれる雲と同じよ」
素敵な言葉だった。
さて、主役のハギョン役のパク・ミニョンだが、このドラマではキャリアウーマン役で、スーツも良く似合う素敵な女性だったが、笑顔が少なくて、いつもの魅力が半減していた。
『キム秘書はいったい、なぜ?』のようなキュンとするような、パク・ミニョンの可愛い笑顔、仕草を期待していたので少し残念だった。
シウとハギョンの明るく楽しい場面が少なかったので、ギジュンの役柄が際立っていたように感じた。
また、気象庁の仕事の大変さがこのドラマを観てわかった。自然の出来事を予報するのは難しい。天気もそして人間関係も予報は難しい。
文=須坂のりこ