韓国社会のルールブック「第22回・ボラれる楽しみ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

初めて韓国に行くとき、母から「勘定でボラれないように気をつけて」と言われた。このアドバイスが効いた。少々のことでは驚かなかった。むしろ、相手がどの程度の金額を言ってくるのかを楽しむところもあった。




運転手が一枚上手

ソウルでタクシーに乗ると、遠回りをされることが何度かあった。私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)は地図を見るのが好きで、どこを走っているかをいつも地図で確認していたから、すぐにわかった。
少々のことなら目をつぶっていたが、あまりに遠回りをされると、ムキにならないように注意しながら言った。
「なんで近い道を行かないんですか」
答えはきまってこうだった。
「渋滞に巻き込まれるから」
そう聞いて、それ以上は突っ込まなかった。本当に渋滞が理由のときもあるからだ。
あるとき、金浦(キムポ)空港からソウル中心部に行くとき、タクシーの運転手がこう言ってきた。
「メーターを倒さないから3万ウォンを払ってください。みんなそうしているから」
倍近く取ろうというわけだ。
それでも、私は「オーケー」と言った。とても愛想のいい運転手だったので、当時の韓国の世情について車内で聞こうと思ったのだ。




案の定、痛烈な政府批判が飛び出した。そういう話を聞くのが大好きなので、身を乗り出して運転手の話に耳を傾けた。
「3万ウォンでも安いくらい」
そう思ってタクシーを降りたのだから、運転手が一枚上手だった。
(ページ2に続く)

韓国社会のルールブック「第1回・老舗」

韓国社会のルールブック「第2回・料理」

韓国社会のルールブック「第21回・お客様は神様ではない」

固定ページ:

1

2 3

必読!「ヒボン式かんたんハングル」

「韓流ライフ」というジャンルの中に、「ヒボン式かんたんハングル」というコーナーがあります。ここには、日本語と韓国語の似ている部分を覚えながら韓国語をわかりやすくマスターしていく記事がたくさん掲載されています。日本語と韓国語には共通点が多いので、それを生かして韓国語の習得をめざすほうが有利なのです。ぜひお読みください。

ページ上部へ戻る