韓国社会のルールブック「第10回・女子プロゴルフ」

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真似のできない練習量

「借金を踏み倒して逃げるような奴が、今度は娘をくいものにしている」
周囲の人たちは父親を露骨に非難した。だが、父親思いの娘は、一つも泣き言を言わなかった。
「パパが他の人に無視されるのが絶対にイヤ。私が有名になれば、誰もパパを笑ったりしない」
儒教社会の韓国ではいまだに「男尊女卑」の風潮が残っているが、女性は日陰にいながらでも常に一家の真の支えであり続けた。秋霜烈日が続いた20世紀の韓国がその苦難に耐えてこられたのも、辛抱強く逞しい女性の働きがあったからこそだ。その芯の強さを朴セリも見事に受け継いでいた。
父親も鬼だが、韓国ゴルフ協会も恐ろしい。10代なかばで国家代表候補になった朴セリは、年間200日間の強化練習で鍛えられた。
極めつけは軍事訓練だ。軍人用の精神強化プログラムを繰り返し受けさせられ、緊張した場面でも動じない精神を作り上げた。




こんな強化訓練は、日本では考えられない。鍛えるときに容赦ないのが韓国流と言うべきか。その凄まじさには本当に驚かされる。
朴セリは成功し、彼女のようになりたいと願う娘たちがこぞってゴルフを始めた。もちろん、朴セリのように苛酷な練習を続けた。真似のできない練習量が、今の韓国女子選手の強さを築いたと言える。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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