韓国時代劇を面白く楽しめる3つの理由とは?

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韓国時代劇には傑作が多い。そして、あんなにもドラマが面白い理由の1つ目は、歴史的な題材に恵まれているということだ。たとえば、韓国時代劇は朝鮮王朝を舞台にしたものが多いのだが、朝鮮王朝時代には王位継承をめぐってたくさんの大事件があった。そういう歴史は『朝鮮王朝実録』などを通して現代に詳しく伝わっており、それを存分にドラマに生かせるのが韓国時代劇である。

『新版 知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著、実業之日本社発行、1000円+税、2021年9月6日発売)




朝鮮王朝の特徴

韓国時代劇の面白さの2つ目は、韓国で時代劇は視聴率が取れるジャンルだということ。とても多くの人が見るだけに予算もたくさん投入できるし、ドラマ制作の人材を注ぎ込むことも可能だ。つまり、制作環境が恵まれているので、それだけ時代劇を面白く作れる。このように、視聴率が取れるジャンルということが有利に働いている。
3つ目は、優秀な脚本家が多いということ。
韓国で文学の世界は、人間はいかに生きるべきかを問う純文学系が多くて、大衆小説のようなものが多くない。
そういう分野に才能がある人は、脚本の世界に入っていくことが多くて人材が豊富だ。いわば、時代劇の面白い脚本を書ける人が多いということも、時代劇を活性化させている理由になっている。
そして、韓国時代劇の多くは朝鮮王朝を舞台にしている。それだけに、朝鮮王朝に対して相応の知識を持っていたほうが、韓国時代劇をもっと楽しめる。




その朝鮮王朝はどんな王朝だったのか。
まずは、国王を頂点とする中央集権国家だったということ。国王の権力が絶対だったので王位継承があれほどもめたのだ。
次に、国教が儒教だったこと。儒教は人間の序列を認める思想があり、結果的に厳しい身分制度が容認された。
さらに、官僚同士の党争が激化したこと。高官たちは権力を手に入れようと、様々な大事件を起こしている。
以上のような要素は、韓国時代劇を面白くするための格好のネタになっている。
結局、歴史が波瀾万丈だったから、それを扱った時代劇もあれほど面白くなったのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化や日韓関係を描いた著作が多い。主な著書は「悪女たちの朝鮮王朝」「韓流スターと兵役」「いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史」「韓国ドラマ&K-POPがもっと楽しくなる!かんたん韓国語読本」など。最新刊は9月6日発売の「新版 知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物」

『新版 知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著、実業之日本社発行、1000円+税、2021年9月6日発売)

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