光海君と仁祖のライバル物語3「怨恨」(歴史編)

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「10年間誰も見舞いに……」

綾陽君は個人的な怨みでクーデターを起こしたために大義名分がない。これではただの反乱なので、やはり「どうしても、光海君を追放せざるを得なかった」という大義名分がほしかった。それをくれるのが仁穆王后である。
仁穆王后は、徳寿宮に幽閉されている間、食糧なども満足に与えられずにかなり生活が苦しかった。
クーデターを成功させた綾陽君は、徳寿宮にいる仁穆王后の前で正座して、「この度、憎き光海君を追放しました。王妃様におかれましては、全国に号令を出してくださいませんか」と言った。
しかし、仁穆王后はすんなりと応じなかった。




「いまさら、何を言っておるのだ。この10年間誰も見舞いに来なかった。何じゃ今ごろになって……」
すごい怒りようだった。その怒りがなかなか解けなかった
(第4回に続く)。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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