韓国のドラマの場合、見ている人の多くが女性なら、脚本家もほとんど女性。現実的に男性が見るようなドラマが少ないのは確かだ。しかし、監督やカメラマンは男性ばかりなのである。
極端な生い立ちの2人
韓国ドラマの制作現場は男性ばかりなのに、放送となると男性中心のドラマがほとんど出てこない。女性脚本家を中心に女性の感覚がわかるドラマばかりが作られている。
実際、男性の脚本家は時代劇に何人かいる程度で、それを除けば本当に少ない。とはいえ、女性が主に見るドラマは女性がストーリーを書いたほうが、細かい感性がつかめるのは確かだ。どういう話が女性に受けるのか。そのポイントを女性脚本家は、はずさないのである。
その結果、恋愛ドラマの全体的な特徴が決まってくる。偶然の出会いとハッピーなクライマックスの繰り返しとなる。
ストーリーの全体像も、人生というのは多くの困難を乗り越えていくものだ、という筋書きになる。それをメロドラマ風に作っていく。そのほうが女性に受けるからだ。
たとえば、男性の主人公は裕福な家庭の息子。これは女性の理想の対象とも言える。お金をもっていてハンサムで、まだ20代なのに企画室長をまかされている。その一方で女性主人公は貧しい生い立ちが多い。
つまり、韓国の恋愛ドラマには境遇が対照的な男女が登場する。極端な生い立ちの2人をくっつけて、様々に対比させていく。そこから、様々なエピソードが展開されていく。パク・ソジュンとパク・ミニョンが主演した『キム秘書はいったい、なぜ?』もそんな典型的なドラマだった。そこがまた面白いのだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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