時代劇と現代劇という二つのジャンルをバランスよく演じ分けているイ・ジュンギ。彼は特に現代劇の場合はアクションシーンにこだわる。それは、視聴者に最高の自分を見せたいという強い意欲を持っているからだ。
「ドラマの命」とは?
ケーブルチャンネルのtvNで放送された『無法弁護士』の制作発表会がソウルで行なわれたのは2018年5月8日のことだった。
この制作発表会でイ・ジュンギはこう語っている。
「今度のドラマはアクションシーンがすべてではないのですが、やはり自分なりのアクションをお見せしたいんです。自信もあります」
この言葉には、彼の強い決意が表れていた。
しかし、悩みもあった。「自分自身がどれほど視聴者にアピールできるか」について不安が芽生えたのだ。
「視聴者のみなさんに、どれくらい魅力をアピールできるのだろうか。心配もありましたし、責任感も感じていたのです。そうしたストレスもありました」
こう語ったイ・ジュンギは、作品に対する重圧を乗り越えて、精悍な姿で主役の役割を全うした。
実際、徹底して全力を尽くすイ・ジュンギの俳優魂が『無法弁護士』でも存分に発揮されていた。
このドラマでイ・ジュンギが演じるのは暴力団出身の弁護士。異例のキャラクターだ。顧客の勝利のためなら拳を使ってでも精一杯やろうとする弁護士であり、法律家でありながら無法ぶりを発揮する男である。
それでも、絶対的な権力に立ち向かうときには、無法ではいけないという覚悟を強く持つ。そんなふうに成長していく姿がドラマの中で描かれている。
とにかく面白い。イ・ジュンギのドラマがいつもスリリングなのは、主役の彼が妥協を許さず最後まで突っ走るからだ。
そうした情熱こそが「ドラマの命」だとも言える。イ・ジュンギの作品を見ていると、つくづくそう思えてくる。
文=「ロコレ」編集部