サッカーの韓国代表の試合がソウルで行なわれると、スタジアムが赤一色に埋まります。韓国料理がズラリと食卓に並ぶと、真っ赤な色合いが目立ちます。このように、韓国を象徴するカラーは、やっぱり「赤」なのでしょうか。
かつて「赤」は敬遠されていた
日本で軍手と言えば、白色のものが一般的です。手のひらにボツボツとしたゴム斑点が付いた滑り止め付きの軍手の場合、その多くは黄色です。
一方、韓国の軍手も白色が主流ですが、滑り止め付き軍手の場合は斑点ではなく、専用の特殊ゴムを手のひらいっぱいに貼ってあります。
その特殊ゴムは真っ赤な色をしているため、日本から見れば作業をしている人が出血したのかと錯覚するほどです。
ゴム自体は他の色でも良いのに、韓国ではなぜ「赤」が好まれるのでしょうか。
韓国の国旗である太極旗の中央にも、万物の根源を意味する太極として、大きく赤が描かれています。陰陽の陽を表すこの赤は、情熱的な韓国の人たちにとって、やはり特別な色なのです。
ところが、かつて赤は共産主義を連想させ、軍事独裁政権時代は徹底的に敬遠されてきました。
つまり、1960年代から70年代にかけて赤は忌み嫌われる色だったのです。
1987年に民主化を達成すると、それ以前の反動であるかのように、赤が韓国社会で目立つようになりました。
サッカーの韓国代表チームの試合となると、ファンが着る赤いユニフォームでスタジアムが真っ赤に染まることはよく知られています。
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