演劇学科は難関
さらに説明が続く。
「個人でオーディションを受けて、ドラマや映画に出演できる人は本当に限られていて、多くの人が人気が出るまでに長い時間がかかります。その間、同じ大学の先輩が芸能界にいると、出演を推薦してくれたり、演技指導をしてくれたりと、いろいろ世話をしてくれるのです。長い時間がかかっても、韓国で俳優として生き残るには、学閥を利用しなくてはならないときがあるのです。それが現実だといえるでしょう」
いかにも人脈が大切な韓国らしい話だ。
ちなみに、韓国の大学の演劇関連学科は受験志望者が多くてかなり難関である。大学で演劇を学ぶためには、他の学生以上に厳しい受験戦争を勝ち抜かなければならない。
苦労の末にようやく入学できたとしても、その先に待っている現実も厳しい。俳優として生き残れるのはほんのわずか。その一方で、有名大学出身であれば、一般企業への転職もそう難しくない。そうした事情があって、自分の夢を卒業時にあきらめてしまう人もかなりいる。
けれど、辛抱強く俳優への道を進んだ人は、大学で基礎をしっかり学んでいるので実力がある。韓国に演劇専門学科が多いというのは、芸能界にとっては本当に心強いかぎりなのだ。
構成=「ロコレ」編集部