韓国時代劇に登場する国王・王妃・世子・側室・高官たちにスポットを当てて紹介した『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(実業之日本社)が発行されました。この本に書かれている内容を通して、今回は朝鮮王朝の王妃について取り上げてみましょう。
世子と世子嬪
韓国時代劇には世子(セジャ)という人物がよく出てきますが、これは王の正式な後継者のことです。
皇太子と同じ、と考えればわかりやすいでしょう。
朝鮮王朝は儒教社会ですから、世子には長男がなるのが原則ですが、実際には長男が王になった例は国王27人の中で7人くらいと少ないのです。それだけ王位争いが激しかったということです。
その激しさがいろいろな事件を引き起こしたわけですが、それがまたドラマを面白くする要素になっていたことは確かです。
なお、世子ともなると、早めに次の後継者候補を作ることを求められましたので、彼らは10歳か11歳で結婚するのが普通でした。その妻のことを世子嬪(セジャビン)と言いますが、少し年上のお嫁さんが多かったようです。早く子供を作るために、あえて年上を選ぶ傾向があったのかもしれません。
ちなみに朝鮮王朝の法律では、庶民が結婚できるのは15歳くらいからでした。王族だけは特別に早婚が許されていたわけです。
(ページ2に続く)
張禧嬪(チャン・ヒビン)はワガママ粛宗(スクチョン)の犠牲者の1人!
『七日の王妃』の端敬(タンギョン)王后を物語る赤いチマ岩の伝説とは?