対談/植村誠・康熙奉「韓国に行くのは心のリハビリです!」

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韓国に50回以上も出掛けて主な鉄道をすべて乗り尽くした植村誠(探訪ライター)と康熙奉(カン・ヒボン)が韓国をテーマに語り合います。

写真撮影/植村誠

距離感を縮める対人関係

康「やっぱり、韓国の旅は楽しいですよね」
植村「日本の旅と似たところもあります。けれど、ちょっと違うんですよね。その違うところの何に魅力を感じるのか。それによっても印象が変わってきます。とにかく、やめられない面白さがあると思います」
康「人間が面白いですよね」
植村「本当に同感です。以前、康さんが書かれた韓国紀行の本を読んで、『この人、同じこと考えてるんだな』と思いました」
康「韓国の人は知り合いになるととてもフレンドリーで、距離感をとことん縮めてフトコロに飛び込んでくるんです。市場の屋台では、結構酔っぱらっている人が多くて、ちょっと話すと『家へ来い!』とすぐに家まで引っ張っていこうとする人もいれば、意味もなくラッパを吹いている人もいます(笑)。なんでラッパなのか、よくわからないのですが……。やたらと話しかけてくる人が多いですね」
植村「対人関係で距離感を縮めるのが韓国のスタイルですね」




康「日本でも昭和の時代を懐かしむ風潮がありますが、日本から韓国へ行くと、国全体がそういうノスタルジックな雰囲気を漂わしてますね」
植村「確かにノスタルジックな部分が多いですね。光州(クァンジュ)では、子供のときに出歩いた風景に近いものを感じました。やはり韓国というのはある種の懐かしさをくすぐるところがあると思いました。ただ、いま康さんがおっしゃった『昭和』というレッテルはあえて貼りたくないという気持ちも同時にあります。そこにあるのは、現代を生きる
韓国という国であり、人々であり、町であるというところです」
康「その心情はよくわかりますね」(ページ2に続く)

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