『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』の主人公のキム・シンは、900年以上も前の高麗(コリョ)時代の将軍という設定だった。彼は王に裏切られて、胸に剣を刺したまま現代にさまよっている。『トッケビ』はそんなドラマだが、物語の始まりとなっている高麗時代とは、果たしてどんな時代だったのか。
初代王は王建
高麗が建国されたのは918年である。
当時は、初めて朝鮮半島を統一した新羅(シルラ)の統治時代であったが、後百済(フペクチェ)、後高句麗(フゴグリョ)といった国が各地に勃興し、新羅の勢力も急速に衰えていた。
その中で、高麗を建国した王建(ワン・ゴン)は優れた戦略で勢力を伸ばし、ついに936年に朝鮮半島を統一した。首都は朝鮮半島の中央に位置する開京(ケギョン/現在の開城〔ケソン〕)であった。
なお、王建が国号を高麗としたのは、高句麗(コグリョ)を強く意識していたからだ。彼は、かつて朝鮮半島北部から中国大陸にかけて強大な国家を築いた高句麗の後継者を自認していたほどであった。
そして、王権を磐石なものにするために、王建は子孫が絶対に守るべき10の掟をつくった。それは、「仏教を重んじること」「風水地理を尊重すること」「長男が王位を継承すること」など具体的なことばかりであった。(ページ2に続く)
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