これ以上は断れない
先に制作を完了して放送するという「事前制作」であれば、コン・ユもそこまで不安を抱えないのだが、韓国ドラマの通常のスタイルでは、撮影しながら放送するという「生放送」に近い状況に陥ってしまう。そのことをコン・ユは、体力的にも精神的にも恐れてしまうのだった。
そういう意味で彼は「長い時間をかけてじっくりと撮影する映画のほうが自分には合っている」と考えていたのである。
ただ、俳優はオファーがあってこそ自らの道を切り開いていける立場だ。しかも、キム・ウンスク作家が5年にわたって熱心に誘ってくれている。さすがに、コン・ユも断りきれなくなったというのが正直なところではないのか。
そんな風に始まったのが『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』であった。
キム・ウンスク作家は、すばらしい脚本を書くのだが、物語の後半になると勢いが落ちると批判されることもあった。
しかし、念願だったコン・ユの主演が実現できて、キム・ウンスク作家は最後の最後までエネルギーを保ち続けたまま『トッケビ』の執筆を終えた。(ページ3に続く)
コン・ユ主演の『トッケビ』は魂の不滅を抒情的に描いたドラマ!