NHK総合テレビで放送の『オクニョ 運命の女(ひと)』。このドラマを楽しく見るためには、背景となっている時代の歴史について知っておいたほうがいい。そこで、『オクニョ』が描く時代について解説しよう。
明宗の統治時代
『オクニョ』は、主に朝鮮王朝の1550年代を描いている。この時代の特徴は、どんなところにあったのだろうか。
歴史上の人物について見てみよう。
朝鮮王朝の1550年代というと、13代王の明宗(ミョンジョン)が統治していた。しかし、この明宗にはほとんど実権がなかった。なぜなら、母親の文定(ムンジョン)王后が明宗の後見人として絶大な権力をふるっていたからだ。
文定王后は、11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の王妃である。歴史的にも悪女としてよく知られている。
実は中宗の次に王位を継いだのは、彼の二番目の正室だった章敬(チャンギョン)王后が産んだ仁宗(インジョン)であった。
この仁宗は、中宗の長男として1544年に即位したのだが、わずか8カ月で急死している。文定王后が自分の産んだ明宗を王に就けたいがために、仁宗を毒殺したという疑いが非常に強い。(ページ2に続く)
文定王后とは誰なのか?『オクニョ 運命の女(ひと)』の登場人物(前編)