韓国人の死生観について

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長く続いた朝鮮王朝時代、当時の人々は「人間が死ねば肉体は土に還(かえ)り、魂は天にのぼっていく」と考えていた。そのために、人が亡くなると土葬となり、ひんぱんに祭祀(チェサ)を行なった。

韓国では伝統的に土葬が採用されてきた

祭祀主義とシャーマニズム

祭祀では、命日と正月と秋夕(チュソク/お盆のこと)に祭壇に御馳走を並べ、亡き両親や祖父母の魂が地上に戻ってくる瞬間に対応した。
御馳走はそのための饗応なのである。
人々は祭祀を通して先祖への崇拝と敬慕を示し、子孫が無事に暮らしていけることを感謝した。
そうした祭祀主義の他に、各地方にはシャーマニズムが深く浸透した。




シャーマニズムとは朝鮮半島の北方から伝来した原始宗教であり、特殊な霊能を持った媒介人(ムーダンと呼ばれた)を通して、生者が死者の発する言葉を受け取るのだ。その儀式は「クッ」と称された。
今でも韓国の地方に行けば、「クッ」を通して願い事(子供の結婚や就職、身体の健康など)を成就させようと試みる人が多い。シャーマニズムは確実に年配の人々の一つの拠り所になっている。
祭祀主義にしてもシャーマニズムにしても、肝心なのは、肉体は消滅しても魂は永遠だということだ。「祭祀のときに先祖の魂が地上に下りてくる」「死者の言葉がムーダンを通して生者に伝えられる」という考え方が、現在の韓国の人々の死生観に影響を与えているのだ。(ページ2に続く)

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