韓国人の死生観について

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

長く続いた朝鮮王朝時代、当時の人々は「人間が死ねば肉体は土に還(かえ)り、魂は天にのぼっていく」と考えていた。そのために、人が亡くなると土葬となり、ひんぱんに祭祀(チェサ)を行なった。

韓国では伝統的に土葬が採用されてきた

祭祀主義とシャーマニズム

祭祀では、命日と正月と秋夕(チュソク/お盆のこと)に祭壇に御馳走を並べ、亡き両親や祖父母の魂が地上に戻ってくる瞬間に対応した。
御馳走はそのための饗応なのである。
人々は祭祀を通して先祖への崇拝と敬慕を示し、子孫が無事に暮らしていけることを感謝した。
そうした祭祀主義の他に、各地方にはシャーマニズムが深く浸透した。




シャーマニズムとは朝鮮半島の北方から伝来した原始宗教であり、特殊な霊能を持った媒介人(ムーダンと呼ばれた)を通して、生者が死者の発する言葉を受け取るのだ。その儀式は「クッ」と称された。
今でも韓国の地方に行けば、「クッ」を通して願い事(子供の結婚や就職、身体の健康など)を成就させようと試みる人が多い。シャーマニズムは確実に年配の人々の一つの拠り所になっている。
祭祀主義にしてもシャーマニズムにしても、肝心なのは、肉体は消滅しても魂は永遠だということだ。「祭祀のときに先祖の魂が地上に下りてくる」「死者の言葉がムーダンを通して生者に伝えられる」という考え方が、現在の韓国の人々の死生観に影響を与えているのだ。(ページ2に続く)

果たして韓流は復活したのか?

少女時代の問題は韓国の何を物語っているか

韓国社会における「対立」の構造について

韓国の哀しみは韓国にいないとわからない

ページ:

1

2

関連記事

  1. これから始めるのに最適!『新版 韓国ドラマ&K-POPがもっと楽しくなる!かんたん韓国語読本』

  2. 夏の風物詩!暑さを乗り切る強〜い味方

  3. 韓国のビックリ/特選E「韓国で刺し身を注文する方法とは?」

  4. 韓国で「食事中の女性の立て膝」が無礼でないのはなぜか(特別編)

  5. 韓国人の姓名の付け方(前編)

  6. 秋のチェジュ島に行きたいけれど

  7. 日韓関係は「史上最悪」ではなく「史上最高」なのでは?

  8. サイトで楽しむ秋の韓国4「漢拏山の紅葉」

  9. 時代劇が描く歴史を知るための新刊『朝鮮王朝「背徳の王宮」』!

PAGE TOP