韓国芸能界の倫理観はどのようになっているか

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事務所が芸能人をしっかり管理する

今では、SNSの発達によって、芸能人のプライバシーが表にあらわれることが多くなった。かつてのように、隠し通すことが難しくなってきたのだ。
芸能人の不祥事の多くに酒がからんでいる。韓国ではアルコール度数が高い酒が好まれる傾向が強く、かつて朝鮮日報が「酒乱撲滅キャンペーン」をせざるをえないほどに社会問題になっていた。
ただし、芸能人の側にも言い分がある。人気に左右される厳しい業界に身を置いていて、精神的な重圧も生半可ではない。そんな中で、酒を楽しむことは息抜きにちょうどいいのだ。人間関係を円滑に保つうえでも酒は潤滑油になる。




しかし、なにごとも「過ぎたるは及ばざるがごとし」である。酒がからむ女性問題、飲酒運転、暴力行為をなくすためにも、自重せざるをえない部分も大きいだろう。
もう1つは舌禍事件である。
「韓国人の一番のストレスは、自分が言いたいことを言えないこと」
そう評されるほど、韓国の人たちは自分の主張を隠さない。それはいいのだが、誰かの面前で話すのとSNSで発信するのとでは、拡散の具合がまるで違う。
結局、慣れないSNSで不用意な発言をして謝罪に追い込まれるケースが増えてしまうのである。
芸能人のモラルは低下していない。それどころか、若い芸能人はしっかりした倫理観を持っている人が多く、男子であれば兵役も立派にこなしている。
大事なのは、芸能事務所が所属する芸能人をしっかり管理することだ。今までは、マネージャー個人に依存しすぎていた。今後は事務所が全社をあげて、芸能人の管理を徹底することが求められる。それが、インターネット社会では必須になる。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化・社会や、日韓交流の歴史を描いた著作が多い。主な著書は『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。

少女時代の問題は韓国の何を物語っているか

〔総集編〕韓国はなぜ日本の植民地になったのか

韓国の哀しみは韓国にいないとわからない

韓国人が考える本当の「謝罪」について

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