2013年から祝日
特権階級が訓民正音に反対したせいで、朝鮮王朝時代には訓民正音がなかなか広まっていかなかった。
さらに、訓民正音は官僚たちによって「諺文(オンムン)」と呼ばれた。「諺」という漢字は、「民間に広がる通俗的な語句」といった意味なのだが、同時に「粗末な」という意味合いがある。
このようにして、近代に至るまで訓民正音は軽んじられてきた。
19世紀の末、朝鮮半島が列強国の圧力を受ける中で、民族の誇りを取り戻すという意味で独自の文字が重宝されるようになった。
そうした中で訓民正音はやがて「偉大な文字」という意味を持つ「ハングル」と呼ばれるようになった。
ハングルは1945年に植民地支配から解放されてからは、公式文書でも使われるようになり普及が進んだ。
1970年、世宗が1446年に訓民正音を公布したと推定される10月9日が「ハングルの日」になった。
当初は祝日であったが、祝日を減らす流れの中で1990年に祝日でなくなってしまう。しかし、2013年から再び祝日になって今に至っている。
文=康 熙奉(カン ヒボン)