世界的なスターを生み出している韓国の芸能界。そのあこがれの世界を夢見る子供たちは多いのですが、いまだに韓国社会では芸能人を低く見る風潮が残っています。そこには、どんな歴史的背景があるのでしょうか。
儒教国家であった影響
社会的に芸能人が卑下される傾向にあったのは、1392年から1910年まで続いた朝鮮王朝の影響が現代韓国にも強く及んでいたからです。
そこで、朝鮮王朝時代の芸能について考えてみましょう。
儒教国家であった朝鮮王朝は芸能を低く見ていました。
朝鮮王朝では文人の素養として音楽、絵画、書など一部の芸術を尊重しましたが、庶民が楽しめる大衆芸能の地位は他の国では見れないほど低いものでした。
朝鮮王朝の前の高麗王朝では仏教が重んじられたため、その礼式としての舞や歌、音楽などが重視され、人形劇や演劇なども盛んでした。日本や中国でもそうでしたが、仏教はもともとその教理を音楽や歌、踊り、語り、演劇などの芸能を通して広めるという伝統を持っていたのです。(ページ2に続く)