ハイテンションとユーモア精神
「他人の心が読める超能力者になってみたい」というのが、多くの人の願望かもしれない。しかし、実際になってしまったら、困惑してしまうかもしれない。相手のことを知りすぎると、裏まで見えてしまうからだ。ましてや、相手が二重人格ならどうなのか。超能力者の頭の中が混乱するのではないか。
そんな葛藤をユンホはどう演じるのか。深刻な場面も多いだろうが、むしろユーモア精神を発揮して問題を解決していくことに期待したい。
たとえて言えば、映画『国際市場で逢いましょう』で演じた軍人の役。ベトナム戦争の過酷な戦場で、ユンホが演じた軍人はハイテンションで難局を切り抜けていった。あのときの演技には、ユンホのユーモア精神が大いに発揮されていた。生真面目なイメージが強い人が変身するから面白いのである。
今回の『メロホリック』でも、ユンホの「ハイテンション」と「ユーモア精神」を見てみたい。それが生かされれば、ドラマが絶対に面白くなる。
自分のことは、自分が一番よくわかっているわけではない。むしろ、「よくわかっている」と思い込んでしまうと、見えてくる世界を狭めてしまう結果になる。
「自分のことは、自分が一番わからないかも」
そう思っているほうが、自分の心の中に残る「未成熟」な部分を成長させることができるだろう。
この「未成熟」に意味がある。そこには、新しい可能性が満ちている。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
写真=K.Nishigaki
東方神起ユンホの新作『メロホリック』を演出するソン・ヒョヌクPDとは?