自害すらも覚悟する日々
西宮で暮らした仁穆王后と貞明公主の生活は不便きわまりなかった。
何よりも、光海君の指示が過酷だった。西宮の門をすべて閉鎖してしまい、最上部に刺(とげ)を付けた塀で西宮を囲み、外部とまったく接触できないようにした。
しかも、それまで仁穆王后と貞明公主が使っていた家財は没収され、日常の生活用品も調達できない有様だった。そのうえで、餓死しない程度のわずかな食糧を支給されるだけだった。
とにかく、西宮での生活は困難をきわめた。仁穆王后と貞明公主は、巨大な監獄に押し込められているも同然だった。
宣祖の正室として優雅な生活を享受してきた仁穆王后。彼女は幽閉の屈辱から何度も自害を試みようとしたが、結局はそれができなかった。
「もし自分がいなくなったら、娘の貞明はどう生きればいいのか」
そのことが頭を離れなかった。(ページ3に続く)
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