『朝鮮王朝実録』は果たして真実を書いているか

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異母兄弟同士の骨肉の争い

たとえば、7代王・世祖(セジョ)に関する項目では、彼が1453年にクーデターを起こしたときの密談のやりとりまで『朝鮮王朝実録』に記されている。
「まるで世祖が自ら書いているのかも」
そう思えてしまうほどだ。内容も世祖に非常に好意的であり、彼が甥から王座を奪った出来事も正当化されている。
かくのごとく、歴史を「客観的に」「中立に」記録するのは難しい。




朝鮮王朝建国時の最高の功臣と言われた鄭道伝(チョン・ドジョン)の最期に関しても、『朝鮮王朝実録』の記述を素直には受け取れない。
そもそも、初代王・太祖(テジョ)の後継者の座をめぐって異母兄弟の間で骨肉の争いが起こったとき、鄭道伝は太祖の八男に味方した。
結局は5男が勝ち抜いて3代王・太宗(テジョン)になるのだが、『朝鮮王朝実録』の記述はいかにも太宗の意向に沿う形になっているようで、政敵だった鄭道伝は情けない男にされてしまっている。(ページ3に続く)

朝鮮王朝おどろき国王列伝1/光海君〔クァンヘグン〕・前編

朝鮮王朝おどろき国王列伝2/光海君〔クァンヘグン〕・後編

朝鮮王朝おどろき国王列伝3/仁祖〔インジョ〕

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