相手を思う気持ちがわかる
このドラマは、夫婦の在り方も考えさせられる作品でした。スアの夫婦もドウの夫婦も、お互いを十分に理解しあえていない夫婦として描かれています。「夫婦は一番近い他人」とはよく言ったもので、世の中の大半の夫婦が相手の全てをわかり合えているわけではないんですよね。
でも、今まで知り得なかった伴侶の本当の悲しみや辛さを知って、なぜ自分はそれを今までわからなかったのかと主人公たちが気付くシーンには、少し考えさせられたような気がしました。
みなさんは、愛する人や気になる人に「あなたにとって私はどんな存在?」と聞いてみたくなることはありませんか?
スアも夫とドウに同じ質問をします。夫の返事は、いわば予想通り。
やはり、ドウの答えは想像を超えた素敵なものでした。こんな愛を受けるスアが心から羨ましくなりますよ。
「愛してる」という言葉は一度も出てこないラブストーリーですが、お互いを思う気持ちが切々と伝わってくる静かな作品ですので、ぜひゆったりと楽しんでいただけたら、と思います。
文=朋 道佳(とも みちか)