巫女信仰に頼る人々
巫女信仰は、朝鮮半島で古代から土着していた。
巫女(巫堂〔ムダン〕とも呼ばれる)は霊能に優れた者とみなされ、天上の神界と地上の現世の間に入って媒介者として活動を行なってきた。
こうした巫女が行なう霊的な儀式が「クッ」である。日本でも恐山のイタコが死者の言葉を生者に伝えるとされているが、同じ役割を韓国では「クッ」を通して巫女が行なっている。
特に、年配の女性たちの間で巫女信仰が今でも強く信じられていて、たとえば息子や娘が「就職できない」「結婚できない」「子供が生まれない」といったときに巫女を呼んで「クッ」を行なうケースが多い。(ページ4に続く)