韓国の大統領制度は1期5年で再選が禁じられている。2期はできないので、5年の任期の残り1年くらいになるとレームダックとなり、影響力が低下する。そして、退任すると、厳しい状況に追い込まれる大統領が多いのである。
「清官にして三代」
1392年から1910年まで続いた朝鮮王朝は、国王を頂点とする中央集権国家であったが、実際に政治を仕切っていたのは、科挙に合格して出世した高級官僚たちであった。それほど、科挙は官吏登用試験として重要な制度であった。
そして、当時は「清官にして三代」と言われた。これはどういう意味かというと、「科挙に受かって清らかに官僚を続けていても、子孫三代まで暮らせる財産を残せる」ということだ。
清らかで三代、なのだから、濁ればどれほどの資産を残せたことか。在職中にできるだけ貯めておきたいというのは、古今東西、権力者に共通する心理なのである。(ページ2に続く)