NHKBSプレミアムにて大好評放送中の韓国時代劇『三銃士』。ドラマをより楽しむために、当時の歴史を振り返る。第2回は国を犠牲に出世を続けた奸臣キム・ジャジョムの生涯を辿る。
“仁祖反正”での功績
朝鮮王朝518年の歴史のなかでも随一の奸臣といわれるキム・ジャジョム。自らの栄達のために国を何度も窮地に追い込んだ彼は、後世のドラマや映画に登場するときは『花たちの戦い』や『華政』のように悪役として描かれることが多い。それは、本作『三銃士』でも同様だ。なぜ、キム・ジャジョムが韓国で稀代の奸臣と呼ばれるのか。彼の生涯を見てみよう。
キム・ジャジョムは、16代王・仁祖(インジョ)が15代王・光海君(クァンヘグン)を廃位にしたクーデター“仁祖反正”で功臣として遇された人物だ。しかし、彼は“仁祖反正”において直接的な功績をあげたわけではない。
キム・ジャジョムが高く評価されたのは、光海君の信頼をもっとも受けていたキム尚宮(サングン)に多大な賄賂を送ったことだ。実は、仁祖の反乱計画は事前に漏洩したことがあった。キム・ジャジョムはキム尚宮に賄賂を送ることで、その事実を見逃すように頼んだのだ。光海君は、全幅の信頼を寄せていたキム尚宮の言葉を信じて、事態の追求を怠った。その結果、“仁祖反正”は成功して仁祖は16代王となり、キム・ジャジョムは一等功臣として高い地位を得た。
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