誠実さの根本は「礼儀正しさ」
イ・ジュンギが単純に日本を崇めていると文句ばかり言う人は、人間の情がわかっていない。自分が出演した映画とそれを撮影した国に愛情と責任を感じる誠実さこそ、イ・ジュンギを作った原動力といえる。そして、その誠実さのために、イ・ジュンギは一生懸命にファンと語り合おうとしているのだ。
そんな彼の誠実さを一層輝かせるのが礼儀正しさだ。誠実な気持ちも、きちんと相手に伝わらなければ意味がない。その伝え方の中で何よりも大切なのが礼儀だろう。
ジャッキー・チェンもイ・ジュンギについてこう語る。
「イ・ジュンギさんのもっとも大きな魅力は、その謙虚さだと思います。彼には香港の並の俳優よりも多くの取材陣とパパラッチがまとわりついています。パパラッチはスターにとって厄介なもので、ときには腹が立つ存在でもあります。しかし、イ・ジュンギさんはそんな人にまで細かくポーズをとってあげたり、挨拶をしたりします。マスコミで彼の悪口を見つけられません。私はイ・ジュンギさんの謙虚さとクリーンなイメージに魅力を感じています」
礼儀とは、自分を下げることから始まる。しかし、それがわざとらしいものだったら礼儀と謙遜は飾りや作りものになり、かえって人を不愉快にさせるし、自分自信も欺くようになる。
しかし、イ・ジュンギの場合はファンの誰もが認めている。
そうした評判は、イ・ジュンギに対する社会的認識まで根本的に変えている。
実は、『王の男』での女性美の強いキャラクターで人気を得たイ・ジュンギは、ファンも多いがアンチも多かったのである。やはり韓国では女性的な男性は嫌われる傾向が強いからだ。その後、イ・ジュンギは強い男性キャラクターを見事に演じてきたが、それでも未だに古いイメージが残っていたのも事実だった。一度形成された芸能人のイメージは慣性を伴っていて、多くの人はそれを簡単に変えようとしない。
しかし、その慣性までも、イ・ジュンギの礼儀正しさによって消えてしまった。
(ページ3に続く)