あえて難しい役に挑戦
映画『友へ/チング』がドラマ化されると発表されたとき、多くの人が関心を持ったのは、映画でチャン・ドンゴンが演じたドンスの役を誰が担うだろうかということだった。そして、ヒョンビンがキャスティングされたことを知らされると、特に映画『友へ/チング』が好きな人たちは憂いを示した。ヒョンビンのジェントルなイメージは、荒くて強いカリスマを持っているドンスに似合わない、と思ったからだ。
それに、映画でチャン・ドンゴンの演技があまりに印象的だったことも、新しくドンスを演じるヒョンビンには大きなプレッシャーだった。
けれど、ヒョンビンは自信を見せた。
「最初から、チャン・ドンゴン先輩と比べられると予想していました。そのため反対する人も多かったのですが、それを知った上で挑戦しました。撮影しながら1回も後悔したことはありません」
ヒョンビンがこのドラマを準備しながら見せた努力は、驚くものだった。映画版でのチャン・ドンゴンの演技に影響されることを避けるため、なんと最初は映画版を見ないようにしたのだが、そのうち考えが変わり、「受け入れる必要のあるものは受け入れよう」と決心した。そして、1日に4回も5回も映画版を見て、チャン・ドンゴンの演技を分析した。
釜山を舞台としている作品だけに、自然な釜山訛りが話せるように練習も怠らなかった。役に似合う声を出すために、一度やめたタバコも吸い始めた。
この映画には、格闘シーンも多かった。当然、ケガをする危険も大きい。ヒョンビンの足にはもう「一生ものの傷跡」ができたという。それほどの意気込みを見せて、ヒョンビンはドラマ版の『チング~愛と友情の絆~』を演じきった。(ページ4に続く)