いま読みたい!人気俳優物語5

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永く続けられる基盤

結局、2005年の『サムスン』以後の作品は、どれも高い評価を得られていない。これは、ヒョンビンにとって大きな精神的負担になった。

あるインタビューで彼が「大衆から忘れられてしまうのが何よりも怖い」と吐露したほどだから、その苦しみは相当に深い。

多くのファンも心配していた。

しかし、ヒョンビンの作品選択は失敗の連続だったと言えるだろうか。

ヒョンビンの出演作のなかで最も重要なターニングポイントとなったのはドラマ『アイルランド』だった。イ・ナヨンという安定した演技力を持っている先輩が相手役という点が彼にとって心強かったが、シナリオ作家のイン・ジョンオクの独特なキャラクターと繊細な感受性から出るセリフはまだ新人と言えるヒョンビンが挑むには難しいものだった。特に彼の前作が軽いタッチのシットコムで、一般のドラマでの主演はこの作品が初めてだと考えると、危ない選択ではないかと心配された。いくらマニアから支持され、固定ファンを持っているイン・ジョンオクのシナリオだとしても、大衆的とは言えないドラマを初めての主演作としたことは、若い新人俳優には危険な要素が多すぎた。




しかし、まるで初めから彼のために作ったようなピッタリ合うキャラクターと、それを120%生かしたヒョンビンの演技力は、彼が短期間に消えていく若きスターでないことを視聴者に知らしめた。そして、次作の『サムスン』がメガヒットして、彼の人気は急上昇した。キム・ソナのドラマとも言える『サムスン』だったが、ヒョンビンは彼女に負けない演技を見せた。

その後に選んだドラマ『雪の女王』でも同じだった。視聴率では成功しなかったが、少なくともヒョンビンが持っている俳優としてのイメージを強固にするには十分な作品だった。ヒョンビンが担った役はすべて彼に似合う役で、見ていても安定力のある演技を見せた。

いつ背を向くかわからない大衆の人気に執着するよりも、着実に実力を認めてもらえる作品を選んだことによって、彼は俳優として永く続けられる基盤を作ったのではないかとも思える。

(中編に続く)

文=朴敏祐(パク・ミヌ)+「ロコレ」編集部

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