第5回/ヒョンビン(前編)
演技力はもちろん、興行でもヒョンビンは誰もが認めるスターだ。彼が2005年に出演した『私の名前はキム・サムスン』は韓国内で視聴率50%を越える大記録を打ち立て、アジア各国でも放送されてヒョンビンが一躍韓流スターになるきっかけとなった。
『アイルランド』で主役!
ヒョンビンは、シットコム『ノンストップ4』(2003年)でファンに知られるようになった。
このシットコムには当時、将来が期待される若いスターたちが何人も出演していて、最初ヒョンビンは脇役で出ていた。あまり目立たない役だったが、ヒョンビンはこの機会を生かし、たちまち重要な役に成長させて、人気を得るようになった。
撮影と放送がほぼ同時に行なわれる韓国のシットコムでは、最初に小さい役だったのにファンの反響によって大きな役に成長していくことがよくある。けれど、このときのヒョンビンは人気が少々あっても未熟なところが多く、よくあるカッコいい新人俳優の1人にすぎなかった。
ヒョンビンが有名になったのは、ドラマ『アイルランド』で主演を担ってからだ。2004年に放送された『アイルランド』は、今もファンに忘れられない思い出をたくさん残した。それほど話題となったドラマだった。
『アイルランド』の視聴率は高くなかったが、ヒョンビンを含む俳優たちの繊細な演技が多くの熱狂的ファンを生んだ。このドラマでヒョンビンは、新人らしからぬ落ち着きで、相手の先輩女優イ・ナヨンと息の合った演技を見せた。ヒョンビンは初めての主演だったが、監督、脚本家、先輩俳優たちから様々なことを学んだという。それは彼にとって大きな財産になった。(ページ2に続く)