第20回 端宗に忠誠を尽くした死六臣
「死六臣」とは、成三問(ソン・サムムン)を初めとした、端宗(タンジョン)に忠誠を誓った6人のことである。どのようにして彼らが「死六臣」と呼ばれるようになったのだろうか。
端宗復位運動
端宗は、父親の5代王・文宗(ムンジョン)が在位わずか2年3カ月で世を去ったことで、11歳で6代王として即位した。しかし、大変な野心家だった叔父の首陽大君(スヤンデグン)が、「幼い端宗より自分が王になるべきだ」と考えていたので、強引に端宗から王の座を奪い、7代王・世祖として即位した。そんな強引なやり方に対して、当然ながら反抗の意を示した高官は多かった。その中心人物となったのが、「死六臣」の1人である成三問だ。
彼は、とても頭が良くて21歳のときに科挙に合格した。そして、4代王・世宗(セジョン)を支え、ハングルの創製にも関わった。
彼は同志を募って、端宗を王に復位させるためのクーデターを計画した。決行する日は、中国の明の使節の歓迎行事が行なわれるときだ。(ページ2に続く)