第23回 極端な少数精鋭主義の韓国スポーツ界
日本なら、「夏の甲子園」に地方大会から出場する高校の数は3900校くらいもある。相当数の高校が甲子園をめざしているわけだ。韓国で、高校野球の全国大会をめざす学校はどの程度あるだろうか。韓国の人口は日本の40%弱なので、それを当てはめて1500校くらいかな、と想定してみると、これがとんでもないことになる。
野球とサッカーの強豪国なのに……
なんと、韓国で野球の全国大会に予選から出場してくる高校は55校前後しかない。想定の1割にもはるかに届かない。それでも、韓国は2008年北京オリンピックの野球競技で金メダルを取るくらいの野球強豪国である。
その人材育成を担う高校の野球部なのに、なぜこんなに少ないのか。
わかりやすく言えば、韓国で硬式野球部がある高校が55校前後しかないということだ。サッカー部も同様で、100数校しか全国大会の予選に出てくる高校がないのだ。2002年のFIFAワールドカップでベスト4に入るほどの活躍を見せたというのに、高校のサッカー部はとても少ない。
ここが、高校の部活における日韓の大きな違いだ。
たとえば、日本の高校ならほぼどこでも、陸上部、サッカー部、バスケットボール部、水泳部、野球部(硬式あるいは軟式)、バレーボール部などの人気スポーツの運動部がしっかり揃っている。
生徒は好きなスポーツを選んでクラブ活動を行なうことができる。
しかし、韓国の高校は事情が違う。(ページ2に続く)