鮮やかに色づく紅葉のように
さらに、『人生の授業』から法輪の言葉を抜き出してみよう。
「過去に未練をもたず、未来を恐れず、今このときに忠実に生きれば、その人は常に人生の黄金期にいる。そうすれば、年を重ねても物悲しくなく、人生の最期の瞬間まで幸せに暮らせるだろう」
若い人であれば、この言葉の意味がまだよくつかめていないだろう。
しかし、中年以降になると、「今このときに忠実に生きれば、その人は常に人生の黄金期にいる」というフレーズにしびれてしまう。
人はいつまでも「人生の黄金期」にいたいものなのだ。
さらに、法輪は書いている。
「春に咲く花だけが美しいのか。秋によく色づいた紅葉も大変美しい」
「鮮やかに色づく紅葉のように年を重ねていけば、決して物悲しくはない」
人生にとって何が本当に大切なのか。そのことに気づかせてくれるのが『人生の授業』である。
文=康 熙奉(カン ヒボン)