ペ・ヨンジュン 過去への旅路〔第10回〕

このエントリーをはてなブックマークに追加

キム・スンウとの友情

撮影が進むほどに勘を取り戻していったが、「演技中の視線をどこに置くか」という問題では苦労が多かった。

ブランクが長かったせいか、どうしても視線がぎこちなくなってしまう。さらには、撮影直前に書き直されるシナリオにも苦しめられた。

けれど、苦労が多ければ多いほど、気持ちが充実してやり甲斐が大きくなるのを感じた。やはり、撮影現場はペ・ヨンジュンが「今まさに生きていること」を痛感させてくれるところだった。

「先輩や同僚に本当に助けられました」

ペ・ヨンジュンは心からそう思った。特に、共演のキム・スンウには精神的に支えてもらった。この先輩俳優の励ましが、本当に大きな力となった。

キム・スンウの役は、ホテルの総支配人ハン・テジュン。ホテルの買収を狙うシン・ドンヒョクとことごとく対立する立場であり、恋のライバルでもある。ドラマの中で徹底的に対立した二人だが、撮影現場を離れれば人間的な信頼関係があった。それがまた『ホテリアー』の成功の原動力になった。

キム・スンウは、ペ・ヨンジュンについてこう語る。

「彼は、想像よりもずっと自由で男らしいですね。初めて会う前は『いつも格好よく着こなしてオシャレな言葉を使う人だ』と思っていたのですが、気軽に冗談を言うような気さくな性格なので驚きました。以来、二人で酒を飲むようになって親しくなりました。そんな中で、私はペ・ヨンジュンが男らしい人間であると実感しました。義理堅いところも大いにありますね」

共演者からこれほど信頼されれば、ペ・ヨンジュンもさぞかし気分よく撮影に臨めただろう。出演陣のチームワークが良く、『ホテリアー』は内容的にもすばらしい出来栄えになった。

ペ・ヨンジュンも復帰作を見事に成功させて、さらなる成長を遂げていった。

(次回に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

ペ・ヨンジュン 過去への旅路〔第11回〕

固定ページ:
1 2 3

4

必読!「ヒボン式かんたんハングル」

「韓流ライフ」というジャンルの中に、「ヒボン式かんたんハングル」というコーナーがあります。ここには、日本語と韓国語の似ている部分を覚えながら韓国語をわかりやすくマスターしていく記事がたくさん掲載されています。日本語と韓国語には共通点が多いので、それを生かして韓国語の習得をめざすほうが有利なのです。ぜひお読みください。

ページ上部へ戻る