騒動となった出演辞退
小さな摩擦がマスコミ報道によってどんどん大きくなり、修復不可能なところまで両者の意見は食い違ってしまった。やむなく、ペ・ヨンジュンは『警察特攻隊』の出演を辞退することになった。
この騒動によって、「ペ・ヨンジュンは扱いにくい俳優」という印象が広がったのは確かだ。放送関係者の一人は「人気というのは瞬間的なものだから、俳優として生き残るためには、演技のうまさと同様に、人間的な成熟度も重要だ」と語った。
また、マスコミの報道には制作側に寄ったものも多く、ペ・ヨンジュンが窮地に陥ったのも確かだ。
騒動のずっと後に、ペ・ヨンジュンはこう語っている。
「マスコミの報道には偏った部分がありました。私が『警察特攻隊』の出演をとりやめたのは、最初の約束が守られなかったからです」
この約束とは、演じるキャラクターを指している。企画から脚本執筆に移る過程でキャラクターの重要性が変わってしまったことが問題だという認識なのだ。しかし、マスコミは「ペ・ヨンジュンは生意気だ」という論調が多かった。
「もはや俳優として復帰できないのでは……」
そんな不安に苦しめられたペ・ヨンジュン。救いは、大学の授業だった。彼はすべての俳優活動を休止して、ひたすら勉学に励んだ。その成果で、「オール優」に相当するような優秀な学業成績をおさめた。
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