第10回 『ホテリアー』の成功
新作『警察特攻隊』の主演が決まり、念願の大学合格まで果たしたペ・ヨンジュン。1999年の12月から翌年1月にかけては、のんびりと国内旅行も楽しんだ。予定も立てずに一人でブラリとドライブに出掛けるのが好きだった。特に、風光明媚な場所が多い江原道(カンウォンド)によく遠出したという。そんなふうに休養期間を過ごしていたのだが、安寧の日々が一転する出来事が起こった。
制作陣と対立
実は、『警察特攻隊』の撮影開始を前にして、制作陣とペ・ヨンジュン側の間でいくつかの摩擦が表面化したのである。
制作陣の言い分は、「ペ・ヨンジュンは他のテレビドラマと掛け持ちしようとしている」「ペ・ヨンジュンが演じる役につ
いて、そのキャラクターの修正を求めてきた」「コサ(作品の成功を祈願する儀式)にも一人だけ欠席した」というもの。かなり不信感が高まっている様子だった。
実際、ペ・ヨンジュンに対してはMBCからドラマ『悪いやつら』への出演依頼が来ていたし、彼がその出演に意欲を持っていたのは確かだ。
しかし、ドラマの掛け持ち出演はどの俳優も普通に行なっていることで、「特に問題がない」というのがペ・ヨンジュン側の立場だった。
しかも、「脚本が出来上がる過程で自分が引き受ける役が当初の約束から違ってきている」という不満も生じていた。
もっと具体的に言うと、演じる人物の重要度が低くなっていたのだ。これは、作品選定に厳格なペ・ヨンジュンとしても、受け入れがたいことだった。
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