大韓民国の息子
「兵役はスターの墓場」
かつてはこんな言葉が生きていた。兵役による2年近い空白は人気凋落の原因になる、というわけだ。
確かに、以前の芸能界では兵役のブランクによって人気を落としたスターが何人もいた。しかし、今は時代が違う。
むしろ、兵役をやり遂げることで、人間的な評価を高めて人気を維持できるケースが多くなっている。つまり、兵役は「墓場」どころか「絶頂期」につながる過程になる、とも言われてきた。
訓練があまりに厳しいことから「男の中の男」と呼ばれる海兵隊に自ら志願したヒョンビンが、立派に軍務を終えて評価を高めたことは特筆すべきことだ。
そのヒョンビンを上回る評価を受けたと思われるのが、東方神起のユンホである。
それを一番実感したのは、ソウル新聞が「大韓民国の息子」という大見出しを掲げたときだ。
この表現のニュアンスというのは、日本ではちょっとわからないかもしれない。「国民の妹」「国民の娘」「国民の~」という言い方は韓国でよく使われるものだが、「大韓民国の息子」という大見出しには、誇らしくて頼もしい感情がたっぷり込められている。
新聞がこういう大見出しを掲げるということは、国民の声を代弁していると言っていい。ユンホの特級戦士選抜というニュースは、それほど国民にアピールしたのである。(ページ5に続く)