第7回 大ケガを乗り越えて
『愛の挨拶』で一躍人気俳優となったペ・ヨンジュン。単発ドラマの『海風』を経て、若者たちの野望と友情を赤裸々に描いた『若者のひなた』に出演。ベテラン俳優に囲まれ、緊張して夜も眠れないほどの重圧の中で、必死に自分の役割をこなしきった。続いて、イ・ヨンエと共演した『パパ』で、まだ23歳なのに、離婚して子供を育てる役に扮した。10歳くらい上の俳優が演じるような役に果敢に挑戦したのだ。しかし、激務の撮影で疲労困憊となり入院を余儀なくされたが、話に尾ひれが付いて引退騒動まで起こってしまった。その後休養を取り、今度はタフガイのイメージを加えて『初恋』に出演。メガネをはずし、たくましい姿を披露した。
自分の至らなさを痛感
ペ・ヨンジュンの連続ドラマ出演4作目となった『初恋』は、65・8%という歴代最高視聴率を記録して大成功のうちに終了した。
けれど、ペ・ヨンジュンは単純に喜んでばかりはいられなかった。彼は「惜しい気持ちが強い」と正直に告白する。
「空前の視聴率を記録して私に多大な人気を与えてくれたドラマですが、同時に悔しさが残る作品でした。8カ月間、66回の放送分の『初恋』を撮り終えて、自分の演技力不足からひどい挫折感を経験しなければならなかったのです」
制作関係者も視聴者も、『初恋』におけるペ・ヨンジュンの演技について、その成長を十分に認めていたのだが、当の本人は自分の至らなさを痛感して反省ばかりしていた。
他人から見れば「なぜ、そこまで自分を追い込むのか」と思えるが、それこそがペ・ヨンジュンである。
彼は厳しく自分を見つめ、小さな成功で決して満足したくはなかった。
とはいえ、落ち込んでばかりもいられない。演技力をもっと向上させたい、という強い意欲をもってペ・ヨンジュンは新たな道に進んだ。
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