高校に進学
人は恋をすることによって、まるで別人格のように生まれ変わることがある。ペ・ヨンジュンがまさにそうだった。
勉強ばかりしていても人間らしく生きられない、と彼は悟った。現に、好きな人がいても声さえかけられない……。その痛手がペ・ヨンジュンに「もっとバイタリティを持たなければ」という示唆を与えた。
漢栄(ハニョン)高校に進学したペ・ヨンジュンは、勉強にあまり熱が入らなくなってしまった。
世の中にはもっと面白いことがたくさんあると思えたし、青春を謳歌するのは今しかないと熱く燃える考えを持つようになった。
遊ぶ仲間を見つけては、みんなで出歩いてばかりいた。夜遊びもしたし、夏休みになると友人たちとフラリとキャンプに行ってしまうこともあった。また、スポーツにも打ち込んだ。もともとペ・ヨンジュンは6歳のときからテコンドーを続けていた。
「男は強くなければならない」
父のそういう方針のもとで始めたのだが、テコンドーは内にこもりがちなペ・ヨンジュンを社交的にする手段の一つにもなっていた。
とにかく、勉強以外にやることが多すぎた。
もちろん、両親に心配をかけて申し訳ないと思ったし、自分が模範的な息子でないということは自覚していた。
しかし、彼は自分なりに考えて行動したつもりだ。
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