兵役のがれの摘発
「2014年版国防白書」は、「兵役履行の透明性と信頼性を高めている」と自画自賛した直後に、著名人たちの兵役義務履行に不審な点があると指摘せざるをえなくなっている。それゆえ、新たに著名人たちの兵役事項を集中管理する法律の必要性を訴えている。問題の根は相当に深いと言っていい。
さらに、「2014年版国防白書」は兵役のがれに対する具体的な方策まで明らかにしている。
「国防省と兵務庁は、疾病や心身障害を理由に兵役免除・軽減処分を受けた人がごまかしを使ったと認定された場合、再び身体検査を行なって、兵役処分を変更できるようにしている。兵役のがれを助長するようなインターネットサイトの取り締まりも強化している。2012年4月から特別司法警察権を確保して兵役のがれの犯罪に対して兵務庁職員が直接的に捜査することによって、2014年11月までに93名の兵役逃れの容疑者を摘発している」
「兵役処分の公正さを確保するために、持続的に徴兵検査体系を改善している。精密な身体検査と心理検査のために、先端医療設備と専門医療担当者を持続的に補完しており、今後もより精密な検査のために設備と担当者の充実させていく予定だ。また、重要な疾患に対する現役兵の判定基準を強化するなど、身体検査の規則も合理的に改善していく計画である」
上記の記述を見るかぎり、現在の徴兵検査では意図的な兵役のがれを防ぐことが不可能だと認めているようなものだ。
根本的な問題は、徴兵検査を受ける人数に対して専門医療担当者が少なすぎることが挙げられる。しかし、現実的にいうと、専門医療担当者を増やすとそれだけ人件費が飛躍的に増えてしまうという問題がある。そこが、実務的に徴兵検査を仕切る兵務庁としては悩みの種なのだ。(ページ3に続く)