支えあう連帯意識
俳優として自信を深めることができたペ・ヨンジュン。その頃に驚くべきことが起こった。日本で『冬のソナタ』が爆発的な人気を得たのである。もはや、韓国だけで知られる俳優ではなくなった。彼の名声はアジア各国に広がり、過去に例がないほどのトップ俳優として崇められた。
ただし、恐ろしいほどの重圧がのしかかってきた。人気を得た責任感で夜も眠れないほど苦しむようになった。
彼自身は雑誌上で不眠を告白したこともあったし、実際に公の場でやつれた姿を見せることもあった。トップ俳優の宿命とはいえ、毎日の重圧は私たちには想像もできないほどに違いない。
しかし、ペ・ヨンジュンはただ嘆いているだけではなかった。迷っても、かならず足を前に出し続けているのである。
何よりも、彼を支えているのは「1人ではない」という連帯意識である。ファンの存在は、それが重圧となることもあるが、究極的には「お互いに支えあう」関係を生み出している。
ペ・ヨンジュンは、2010年12月14日に東京ドームで行なわれたイベントの中でこう語っている。
「どんなに辛くても苦しくても、お互いに慰めあえばそれを乗り越えることができますし、お互いが手を取り合えば大きな夢に向かっていくことができます。愛というのは、そのような力があるものだと改めて思いました。家族のみなさま、愛しています」
この言葉には、孤独と苦しみを乗り越えたペ・ヨンジュンの心情が込められていた。(ページ4に続く)