ドンドン惹き込まれていく“韓ドラマジック”
韓国語で“애인”を直訳すると“愛人”となります。
それにしても、言葉のニュアンスというのは微妙なものですね。
このドラマの邦題は『愛人がいます』となっています。
このタイトルは衝撃的ですが、
日本人の感覚でいう“愛人”という捉え方だけではこのドラマは語り尽くせません。
“愛人”ではなく原題のとおり“恋人”という表現のほうがしっくりくる作品です。
不倫のドラマというより、不倫はこのドラマのほんの一片でしかなく、本当のテーマは他のところにあるからです。
『愛人がいます』というタイトルから想像されるような通り一遍のドラマではありません。
原題の『애인있어요』は、
「愛人がいます」
「恋人がいます」
「愛する人がいます」
全てのニュアンスを含む言葉のようですね。
なので、このドラマはまさに『애인있어요』なのだと思います。
このドラマは、記憶を失った女性がかつて死ぬほど憎んでいた夫と再び出会い愛に陥るというストーリーですが、それと並行して、生まれて間もなく離れ離れになった双子の姉妹の波乱万丈な人生も描かれています。
チ・ジニとキム・ヒョンジュはかつて、『波乱万丈ミス・キムの10億作り』で共演していました。
あの頃はまだ若くて初々しい二人でしたが、この『愛人がいます』では、しっとりとした大人の恋愛をとてもせつなく演じています。
チ・ジニの演技の素晴らしさもさることながら、キム・ヒョンジュの演技が素晴らしく、彼女なしではこのドラマは成立しないのではと思わせるほど、引き込まれるものがありました。
双子の役ですから当然二役になるわけですが、深みのある演技力でヘガン(キム・ヒョンジュ)とヨンギ(キム・ヒョンジュ二役)の心情を絶妙に表現していたように思います。
キム・ヒョンジュは『家族なのにどうして』でのガンシム役が印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
姉弟役で共演したZE:A のヒョンシクともとても仲良しのようですね。
「彼が男性に見えたこともありますよ。どうしてそんなに可愛いの?と、いつも本人に言っていましたし」と、バラエティ番組で堂々と発言してしまう姿にも好感が持てます。
キム・ヒョンジュはコミカルな役から悪役まで幅広い演技力を誇る大注目の女優ですね。
『愛人がいます』は正直、序盤はどの人物にも共感ができませんでした。
理解しようと思えば思うほどわからなかったのですが、中盤からはどっぷりはまりました。
韓ドラマジック、恐るべし!です。
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