軍人の役では軍務経験の有無が大きい
除隊のとき、彼は涙を浮かべながら、ファンにこうメッセージを伝えた。
「ファンの方々に話をしようとすると涙が出てきます。このように誰もがする軍隊生活ですが、職業が芸能人なので違うようにも見えてしまいます。確かに、いろいろと心配が多かったのですが、ファンの方々が送ってくださった手紙や小包の一つひとつが、本当に大きな力になりました。心から感謝しています」
除隊の時点で、ソン・ジュンギは復帰作が決まっていた。それが『太陽の末裔』だった。兵役の軍務を終えた直後に、彼は役のうえで再び軍人に戻ったのである。
その復帰作について彼はこう述べた。
「記事が出てみなさんもご存じでしょうが、ドラマで挨拶できることになりました。個人的にも期待が持てる作品で、いいドラマになりそうです。ドラマで立派な姿をお見せいたします。応援してくださったすべての方々に心から感謝申し上げます」
除隊時のこの言葉に偽りはなかった。ソン・ジュンギは『太陽の末裔』の中で本当に立派な姿を見せて、この作品を大ヒットに結び付けた。
「ユ・シジンを演じるにあたって、軍務の経験が本当に役に立った」
ソン・ジュンギは後にそう語ったが、この言葉には説得力があった。
なにしろ、軍人の役を演じるにあたり、軍務経験の有無は非常に大きい。『太陽の末裔』の第1話の冒頭でソン・ジュンギはエリート軍人としての屈強な姿を見せるが、彼自身が兵役を終えたばかりなので、立ち居振る舞いにもリアリティがあった。
その姿がドラマをキリリと引き締めていたことは間違いない。
(文=康 熙奉〔カン ヒボン〕)