4月17日は、韓流ブーム最初期からアーティストとして活躍されるソン・シギョンさんの誕生日。特別企画として、韓流ライターとして活躍される朋道佳さんが、彼のコンサート会場に行った日の思い出を振り返る。
心に響くメロディー
「客席が暗くてよかった」
3月29日、渋谷Bunkamuraオーチャードホールでソン・シギョンさんのコンサートが行なわれました。K-POPアイドルでもないし、日本で目立った活動さえしていないソン・シギョンさんですが、いつもコンサート会場はほぼ満席です。
今回も大阪公演と東京公演合わせて3公演でしたが、ファンの皆さんの熱気に驚きました。
ドラマ『星から来たあなた』の挿入歌『너의 모든 순간(君の全ての瞬間)』では、劇中の名シーンが浮かんで、思わずうっとり。
『좋을텐데 (いいのに)』では会場が大合唱となりました。どんな歌でも韓国語でスラスラと歌えてしまうファンの皆さんには脱帽です。
それをよく知っているシギョンさんもときどき客席にマイクを向けます。
シギョンさんが『소박했던 행복했던(素朴だった、幸せだった)』を歌い始めた瞬間、会場の雰囲気が一気に変わりました。
誰も微動だにしません。
もちろん私もそうですが、歌声に吸い寄せられて動くことができないのです。
シギョンさんが歌っているのは当然なのですが、まるで、神様が遣わせているかのような“音魂(おとだま)”が彼を通して天から降り注がれているかのようでした。
涙が溢れだすのを止められず、しゃくりあげそうになるのを必死で我慢していました。
字幕があるわけではありません。
歌詞の意味もよくわからないのに、心に響くメロディーと魂を揺さぶるシギョンさんの歌声で会場全体が浄化されていくような瞬間でした。
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