韓国時代劇といえば、厳しい境遇の中で苦労しながら努力して成長する女性主人公を描いた傑作が多い。そんな作品の主人公となっていた女性の中から、とても有名な3人をピックアップしてみよう。
有名な3人!
◆長今(チャングム)
『朝鮮王朝実録』の記述に登場する伝説的な医女。16世紀前半、11代王・中宗(チュンジョン)のそばで治療にあたり、中宗の長男を出産時にとりあげたとされている。王族女性の侍医としても非常に有能であったと思われる。彼女を主人公にして時代劇『宮廷女官 チャングムの誓い』が制作された。
◆黄真伊(ファン・ジニ)
10代の頃には、あまりの美貌に求愛する青年が続出したという。中には、恋煩いの末に亡くなった人も出た。そうしたことに心を痛めて、妓生(キセン)になったと言われている。すばらしい芸術性に恵まれ、詩歌や舞踊の才能が卓越していた。時代劇『ファン・ジニ』のモデルとなったが、その詩歌は韓国の教科書に載るほど著名だ。
◆淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)
19代王・粛宗(スクチョン)の側室。時代劇『トンイ』のモデルとなった。宮中の下働きをしているときに粛宗に見初められた。以後は、張禧嬪(チャン・ヒビン)のライバルとなる。1694年に王子を産んだが、それが後の21代王・英祖(ヨンジョ)である。『トンイ』では善人として描かれていたが、実際には王宮の陰で暗躍した悪女という風評もあった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)