儒教の影響「食生活」

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祖先への供養をとても大事に思った朝鮮王朝。その中で育まれた食文化がスープ料理と肉料理だ。韓国にはスープ類の食べ物が多い。もちろん、日本や中国にもいろんなスープや鍋料理があるが、韓国は数が本当に多い。




肉料理の発達

韓国料理のスープには、ご飯と一緒に食べる出汁を楽しめる「クッ」、同じくご飯と食べるが出汁よりは具材がメインの「チゲ」、調理しながら食べる「チョンゴル」などがある。使われる食材と味付けによって種類が多彩だ。
スープが発達したのは、限られた食材を利用してより多くの人を食べさせるためだった。もちろん、これは食べ物が貴重だった当時の生活環境にちなんでいることだが、祭祀(チェサ)を初めとして多くの人が参席する行事が多かった朝鮮王朝の生活文化の影響も大きいと言える。
その証拠として、韓国のスープ料理の中に肉を利用したものが多いことが挙げられる。朝鮮王朝時代以前の高麗王朝時代までは仏教を国教にしていたために、肉料理はあまり発展しなかった。
しかし、儒教を国教として取り入れた朝鮮王朝時代に入って牛を初めとして肉を食べるようになった。
そして、肉を利用する料理も飛躍的に発達した。




特に、貴重な肉をより多い人に食べさせるためにスープが発達した。その代表的な例がソルロンタンだ。
牛の骨といろんな部位の肉を長時間煮込んで作るスープで、今もスープ料理の定番としてよく食べられている。
ソルロンタンの由来には諸説があるが、「農業の神の先農氏(ソンノンシ)を祀るとき、いけにえとした牛を参加した人たちと一緒に食べるためにスープにしたもの」が始まりだったという説がもっともよく知られている。
ソルロンタンというスープの名称も、先農(ソンノン)にちなんだものだという。こうして作られたスープを祭祀に参席した人たち皆で一緒に食べることによって共同体の結束力を固めたのである。
これは今も同じ鍋のものを皆で食べる習慣として残っている。
衛生的によくないという意見もあって、韓国人の中でも嫌がる人もいるが、一般的には当たり前のように受け止められている。
スープ料理の発達はそれを食べるための道具としてスプーンを定着させた。同じく箸を使うアジアでも韓国だけが箸と同時にスッカラというスプーン(匙)を使う。




ご飯を箸ではなくスプーンで食べるのも韓国だけだ。食事のときに欠かさず出るスープ料理の出汁と具を食べやすくするためにスプーンが発達した。
韓国人がスープ料理をどれほど愛するか。それは日常生活を見ているとよくわかる。
日本人がそばやうどんの麺の喉越しを楽しむように、韓国人は熱いスープが喉を通る感覚を楽しむ。これも美味しさの1つとして認識している。
面白いのはそのときの表現だ。
韓国人は熱いスープを飲んでは「涼しい!」いう。
熱めの湯に浸かるときも「涼しい!」という。
これは物理的な温度ではなく、心地よい刺激を感じたときの独特の表現なのだ。それにしても、熱いものを「涼しい」というのは韓国人ならではの感覚だろう。

構成=康 熙奉(カン・ヒボン)

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