最近は芸能人が兵役に入った場合に、軍楽隊で軍務を行なう例が多くなっている。その背景にはどんな理由があるのだろうか。ここで改めて軍楽隊について説明していこう。
軍楽隊のイメージがいい
「芸能兵」の制度が2013年に廃止されて以降、軍楽隊は芸能人が軍務をこなすうえで最適な部隊とも言われてきた。
確かに、K-POPのスターにとってみれば、兵役期間中にもずっと音楽に親しむことができるのはありがたい。
さらに、兵役に入ったらファンと交流ができないと覚悟していたのに、軍楽隊が民間支援でイベントに出たときには、ステージ上で自分のパフォーマンスを披露することができる。自分の能力を生かせる場を軍隊の中で見つけたという意味では、このうえもない喜びだろう。
しかも、東方神起のユンホが軍楽隊で大活躍して脚光を浴びた。そういう例も軍楽隊のイメージを大いに向上させている。
それだけに、ますます軍楽隊がクローズアップされており、それをめざす芸能人も増えているのだ。
なお、ひとくちに軍楽隊といっても、陸軍、海軍、空軍で編成内容が違ってくる。
たとえば陸軍の軍楽隊には3種類ある。
具体的に言うと、A級軍楽隊、B級軍楽隊、C級軍楽隊ということになる。
A級軍楽隊は、陸軍本部、陸軍士官学校、首都防衛司令部などに所属する。
隊員は50人以上で構成されており、音楽大学などで専門的に音楽を学んできた人たちが中心である。
B級軍楽隊は、軍司令部や陸軍訓練所などに所属する軍楽隊で、35人前後で構成されることが多い。
このB級軍楽隊であれば、せめて音楽大学に入学しようとするくらいの技量がかならず求められる。
C級軍楽隊は、各師団に所属している軍楽隊である。
師団というのは1万人前後の兵士を擁する最大の部隊集団だが、その部隊の1つに軍楽隊を加えているのが普通だ。
なお、A級軍楽隊とB級軍楽隊は、兵役を司る兵務庁によって兵役前に選抜試験を行なって、隊員が選ばれている。
各師団に所属する軍楽隊の場合は、新兵訓練の期間中に軍楽隊のメンバーに選ばれるケースも多い。
文=康 熙奉(カン ヒボン)