韓国スタイル3/お墓の話

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日本では火葬が原則になっていて、遺骨はお墓におさめられる。一方、韓国ではどのようになっているのだろうか。隣国のお墓の事情を見てみよう。




土葬用に広い土地が必要

韓国は、本来は土葬の国である。
「人間は死ねば、肉体は土に還り、魂は空に飛んで行く」
そういう考え方が根強い。
その結果、世を去った人は火葬されずに、そのまま土に埋められて、その上にお椀のような形をした土を盛られる。死者は小さな古墳にまつられるのだ。
しかし、この方式だと土葬用の土地がかなり必要だ。時が経てば、狭い韓国が墓地だらけになってしまう。現に、そうなっている。
ソウルでは、墓地用の土地がないことを理由に火葬が奨励されるようになり、大都市では急速に火葬が当たり前になってきた。
しかし、地方は違う。
土地もあるし、伝統的な土葬が当たり前である。ただし、墓守が大変。何かと重労働をともなうからだ。




韓国では墓参りをするのは秋夕(チュソク)のときと決まっている。
秋夕は旧盆のことで、旧暦の8月15日がその日にあたる。新暦では9月下旬になることが多い。
この時期になると、夏の間に成長した雑草で墳墓は覆われてしまう。そんな状態で墓参りをしたら先祖に失礼なので、秋夕の前に一族総出で草刈りをする。これを「ポルチョ」と言う。
今でも地方に行くと、秋夕の1週間か2週間前の週末、家族総出で「ポルチョ」をする光景があちこちで見られる。
まさに、それは韓国の初秋の風物詩なのだ。
しかし、大都市になると、すでに墓地が不足してしまい、土葬が難しくなってきた。そこで、ソウルでは火葬が奨励されるようになったのだ。
火葬にしてしまうと、韓国で伝統的だった「人が死ぬと肉体は土に還り……」という死生観を実現できないのだが、土葬用の土地がないので現実的に考えなくてはならない。
なお、火葬されると遺骨は納骨堂におさめられることが多い。




そうした納骨堂の様子はテレビドラマにもよく出てくるので、イメージできる人も多いことだろう。見た目が、ロッカー式のようになっているのだが……。
結局、「本来は土葬だが、都市で火葬が増えている」というのが最近の韓国のお墓事情である。

文=「ロコレ」編集部

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