『赤い袖先』は正統派の女官実録物語!

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

傑作『赤い袖先』は、メインのストーリーの他に、もう一つの重要な視点を持っていた。それは何かと言うと、王宮で奉職する女官たちの人生が克明に描かれていたことだ。特に、年齢を重ねていった女官の生きざまについても説得力がある描き方をしていた。

画像=MBC




女官を描いた重厚な歴史ドラマ

今まで、韓国時代劇では王宮で働く女官が数限りなく登場しているが、『赤い袖先』ほどリアルな生き方が描写されたドラマは記憶にない。
そういう意味で、このドラマは「国王と宮女の禁じられた情愛」を題材にしていると同時に、イ・セヨンが演じたソン・ドギムを中心にして、王宮が成立するための必須人物である女官に優しい視点を注いでいた。
当時(1760~1783年ごろ)、王宮には約700人の女官が奉職していた。
彼女たちは原則的には「国王と結婚した女性」と見なされていた。それゆえ、他の男性との恋愛は厳禁であり、もし妊娠する事態になれば、「国王に対して不貞を犯した大罪」を問われて処刑が免れなかった。
そこまで厳しく自分を律して王宮で働きながら、病気になったり高齢になったりすると、なんの保障もなく王宮を出されてしまう。
そういう「哀しい境遇」というものを女官たちは抱えていた。




そのあたりを『赤い袖先』はストーリーの中に巧みに取り組んで、重厚な歴史ドラマを作っていた。
このように「女官実録物語」という側面を持ったドラマであることも、『赤い袖先』が史実に則した作品として高く評価された理由である。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

韓国時代劇がこれほど面白い理由とは?

韓国時代劇の四大特徴とは何か

韓国時代劇にはなぜ女性主人公が多いのか

関連記事

  1. 魅力的な女主人と絶妙なイケメン3人衆が描く『コッソンビ』の世界

  2. 『青春ウォルダム』で王家を守るために奮闘する世子に期待する!

  3. グァンイルの焦燥/マイ・ディア・ミスター再び1

  4. 『二十五、二十一』記憶の贈り物4「生きてきた20年」

  5. 傑作探訪『トッケビ』第3回/「コン・ユの演技」

  6. 『二十五、二十一』の名場面を振り返る2「2人の秘密」

  7. 見逃したドラマをここで見る6『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』

  8. 『麗<レイ>』の最大の見どころはイ・ジュンギとカン・ハヌルの競演?

  9. 『エージェントなお仕事』イ・ソジンとソ・ヒョヌ、対称的な魅力が炸裂!

PAGE TOP